ラベル グルメ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル グルメ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014年1月23日木曜日

ベンガルールの「播磨」で日本食を喰う

バンガロールの日本食レストラン「播磨」
ベンガルールへ到着したこの日、晩飯をどこにするか迷っていた。選択肢は二つ。泊まっているホテル「エンパイア」の1階にあるレストランと、日本食が食べられることで有名な「播磨」。タンドリーチキンが旨そうな1階のレストランも捨てがたかったものの、結局は日本食の誘惑に負けて播磨へ行くことに。

カボンロードからチャーチストリートまで歩き、さらにブリゲードロードを南へ下る。このMGロードから南の一帯には、欧米スタイルのショップやレストランが軒を連ねていた。道を歩く女性たちの多くがジーンズにTシャツ姿で、サリーを着ている人は少ない。堂々と道端でタバコをふかす若い女性や、グループで騒ぐ20代の集団がいたりと、インドにしては珍しい光景が目に入ってくる。途中カリアッパロード(Cariappa Road)を右へ曲がって進み、10分ほど歩いたところで播磨に着いた。

播磨が入居しているのはテナントビル「Devatha Plaza」の4階。店の看板はどこにも出ていない。店内はインドには場違いな空間。そこが日本だと言われても違和感ない。客層は7割ほどが日本人ビジネスマンで、接待用の座敷も用意してあった。会食で訪れている彼らを横目すると肩身の狭さも感じてしまう。どうやらたかだか3か月くらいの放浪だと、こちらからは社会との繋がりを断ち切れないらしい。
バンガロールの日本食レストラン「播磨」の店内

この日オーダーしたのは冷奴、たこ唐揚げ、おでん、焼き鳥、それにビール。どれも本物の日本の味で、旨いとしか言いようがない。スタッフはインド人が多いが、日本人シェフによる寿司も楽しめるとある。日本人フロアスタッフもいて、丁寧にもてなしてくれたのが印象的だった。
バンガロールの播磨で食べるタコ唐揚げ

ところで、播磨ではキングフィッシャービールがメニューになくて、代わりにオーストラリアビールのFoster'sがオススメされていた(2012年11月当時)。最後に、この定番ビールが用意されていない理由を記した播磨の店内新聞を引用させてもらう。心からの同情と共に...。
オープナーで開ける際に瓶が欠ける。ガスがない。こんな事は初歩的トラブル。レベルUPすると、毎回、酒屋から来る"ちゃんとテープが貼ってある"ダンボールを開けると、割れて中身が入ってない瓶が、必ず1ケースあります。しかしダンボールは濡れてない。(中略)瓶を詰めるスタッフが1本飲んだ後、証拠隠滅で割って、詰めてるかも・・・(中略)・・・これを会社にクレームすると「買わんかったらええやん、そんなん」との返答(以下略)

2014年1月21日火曜日

マイソールの食事、インドのミネストローネ

マイソールにあるParklaneHotelのベジタブルスパゲッティ
マイソール宮殿のライトアップを見てからParklaneHotelのレストランで一杯やった翌朝、旅の充実を感じながら目が覚めた。マイソールを半ばヤケクソで訪れておきながら、終わりが良ければ何も問題なんてない。

シーツに包まれながら日記を書いていたら、フロントから電話があった。チェックアウトの時間だと言っている。現在10時で、フロントには12時チェックアウトと書いてあった記憶があるが、とりあえず急いで部屋を出る。すると12時チェックアウトという表示の下に、小さく「12時以降にチェックインした客だけ」と書いてあった。延泊料金を取られないかビクビクしながらチェックアウトする。それから、せっかくだからマイソールの中心部を色々と歩いてみるも、目を引きつけるようなイベントには出くわさない。小一時間ほどの散策から戻ると、昨晩と同じくParklaneHotelのレストランで昼食をとることにした。そして店に入るとベジタブルスパゲッティとミネストローネを注文する。

インドのスパゲッティは、なぜ茹で過ぎるのだろう。どうして不味い料理を敢えて作るのか。インドでは場所を変えてはチャレンジしてきたスパゲッティだが、どの土地へ行ってもハズレなく不味い。断っておくが、インドの本屋には本格的なレシピ本が置いてある。レシピ通りに作れば間違うはずはないのに、それでも間違うというところがインドなのだ。

そしてミネストローネにはマカロニの破片とスパゲッティが入っていた。昨晩と変わらず味つけはケチャップだったが、これは見方を変えると旨いかもしれない。厳密にはミネストローネではないが、ケチャップスープとしたら出来は上々だ。なにより疲れた体にはトマトと塩分が染みわたっていくのが分かる。トマト系のスープといえば、マハーバリプラムのレストランMoonrakersで出てきたトマトスープが本当にトマトを潰して調理されていたくらいで、ムンバイではレトルトだったし、列車内で提供されるトマトスープにいたっては粉末にお湯を加えるものだった。

このParklaneHotelのレストランでは、テーブル会計のあと、お釣りが装飾をほどこした金属の箱に入って戻されてくる。旅行者のなかには釣りをチップとして放置したまま席を立つ人たちもいたが、あいにく僕は釣りを無駄にできるほどの金持ちじゃない。店員が遠目で釣りの入った箱を下げるタイミングを計っていたので、僕は仰々しい箱から20ルピーを奪い取ると、静かに席をたった。
マイソール、ParklaneHotelのレストラン

レストランを出ると、すぐにリクシャーワーラーからお声がかかる。どこかへ寄る元気もなかったし、ビデオカメラを回しながら歩き始めると、一人のオヤジが「マリファナ!マリファナ!」と囁きながらついて来た。はたして「マリファナいらない?」の誘いに乗っかる旅行者なんて実在するんだろうか。インドに行って、知らないオヤジについて行って、しかもマリファナを吸うだなんて、一直線にバッドエンドな自信がある。次にオヤジは方法を変えて、駅まで乗ってけと進めてきた。時間もあったし歩いて駅に向かうつもりだったが、オヤジは「駅まで3kmもあるぞ」と頑張る。「1kmしかねぇだろ」と言うと、オヤジは「ここのホテルの奴がそう言ったのか?どこで調べたんだ?」と聞き返してきた。もしかするとホテルが客に「駅まで遠い」と告げ、それを信じた客がホテル前のリクシャーを利用するというシステムなのかもしれない。そうだったのかと、力なく笑いがこぼれてしまう。生活がかかっているオヤジを横目に、僕は駅への道を進んだ。背中から聞こえていた「マリファナ!チープホテル!」の声も、しばらくすると止んだ。

マイソールの夜、ライトアップされた王宮

マイソール宮殿
18時を過ぎて宿を出た。11月なのに、マイソールはまだ陽が高い。ライトアップが少し心配になっていた。

昼と違って王宮の北門には人が集まっていたものの、どうやら中には入れない様子。と、ここで昼に出会った兄ちゃんに再び出くわした。インド人は遠くから獲物を見つける技量に長けている。兄ちゃんからは、20ルピーで王宮東門までリクシャーで連れてってやるとの言葉を頂く。わずか500mほどを20ルピーと主張する神経も並じゃないが、普通に王宮南門まで歩くと1kmはかかって面倒だから、20ルピーで手を打つことしてリクシャー乗り場まで歩く。すると兄ちゃんはリクシャーを前にして、おもむろに後ろの座席に乗り出した。これは今までに見たことがないパターン。一体何が出てくるものかと様子をうかがっていると、兄ちゃんは「運転手がいないからオマエが運転しろ」と言う。アホか...。面倒になる可能性があり過ぎるほど考えられるので、丁重に断ってその場を辞した。

夜の王宮には昼以上の熱気があった。そこに居たのは、夜を楽しもうと詰めかけた大勢のインド人と、この日に合わせて世界中から集まってきた観光客たち。思わず気持ちが盛り上がってくるのを感じていたら、突然、王宮をバックに写真を撮りたがっているインド人の群れから罵声が飛んできた。周りには山と人がいるにもかかわらず、何故だか僕にだけ邪魔だと言ってくる。鬱陶しいから無視していると、今度は「チャイナ!チャイナ!」とアホのように喚き出した。人種だか身なりだかでターゲットを選別し、声の大きさで相手を威圧し、衆を頼んで道理を押し通そうとする未開の極み、トリプル役満。日本でもよくある光景だから笑うに笑えない。ライトアップを待つ間は、そんな腹立たしいインド人たちと僕の肌をつけ狙う蚊に囲まれていた。

19時近くになると夜の帳が下りてきて、良い具合にインド人を隠してくれるから、騒々しさも多少和らぐ。時間は19時。それまで点いていた王宮の照明がすべて消えた。集まった人たちが固唾を飲むのがハッキリと分かる。暗闇でライトアップを待つ10秒ほどの時間がとても長い。そしてパッと電飾が点いたときは、その場にいたすべての人たちから歓声が上がる。一日の疲れや不快な思いなどが、全てウソのように吹き飛ばされてしまった。わざわざ日本から来て、単なる電飾を、ただボーっと眺めるだけ。でも、それで良かった。
ライトアップされたマイソール宮殿

しばらくすると音楽が流れてきた。事前の情報では軍隊による演奏があるということで、巷のブログや旅先で出会った旅行者の中にはディズニーのようだと言う人もいたが、実際に僕が聴いたのはインド音楽だった。いまにも消え入りそうな寂しげな旋律。音楽隊の勇ましい行進曲だったり、クラシック調のオーケストラでも聴けるものかと思っていたが、やっぱり最後はインドだった。ま、興醒めしたのは確かだけど、インドらしくて悪いとは思えない。

そのあと欧米人旅行者の間で有名なParklaneHotelのレストランへ行き、チキンローストとミネストローネを食べる。トマトソースと一緒に食べるチキンローストはビールによく合ったが、ミネストローネと言って出された料理は、最後までケチャップとしか思えなかった。いや、いまでもケチャップだったと思ってる。

2014年1月20日月曜日

ロイヤルガーデニアにある居酒屋EDO vol.2

居酒屋EDOに入ってみると、食事をしていたのは日本人とインド人がちょうど半分ずつぐらいだった。インド人が半分近くもいたということは富裕層の多さを示していたし、また和食が受け入れられているという発見もあった。フィリピン人のシェフが言うには、普段からもインド人は多いとのこと。日本人の客層が年配のビジネスマン中心であるのに対して、インド人はビジネスマンだけでなく家族連れも見かける。プライベートで和食を食べるほどの人たちが、ここベンガルールには確かに存在する。カウンター近くのテーブルでは、20代と思しき少しくたびれた格好の日本人男と年上の女性という、色々と妄想が膨らんでしまうカップルもいた。女性が駐在らしいことは何となく読めたが、男のほうはいったい何者で、そして何故ベンガルールくんだりで一緒に飯を食うことになったのか、そんな経緯をボーっと考えてみたりする。

そうこうしているうちに、本日のつき出しが運ばれてきた。つき出しの内訳は、赤くてプチプチしたイクラの小さい奴とカニカマをマヨネーズで和えたものと、じゅんさいと塩辛。じゅんさいがインドで摂れたものか、日本からの空輸なのかは聞けなかった。塩辛は確実に日本かタイあたりからの空輸じゃないかと思う。どれも旨くない。

居酒屋EDOのディナーは、3200ルピーのコース「京都」と5000ルピーのコース「江戸」の二つ。ランチだと1450ルピーと1800ルピーの2種類あるという。もちろんサイドメニューも豊富で単品オーダーも可能。そして今晩は、せっかくなので3200ルピーのコース「京都」を味わうことにした。

コース料理の最初は刺身か茶碗蒸しのどちらかだった。よく覚えてないから茶碗蒸としておく。この茶碗蒸しは、はっきり言って不味い。固まっていないから、茶碗蒸しといえるものかすら疑問。面白いのは具材が豊富なことで、白身の魚と銀杏、ホウレンソウ、エビ、エリンギか何かを短冊状に切ったものが入っている。量を食べるインド人には、細やかさよりもバラエティを見せる必要があるのだろうか。

次にネギマ串が出てきた。さすがにバーベキューの国だけあって、焼き鳥は普通に旨い。インドということを差し引いても、十分食える。個人的には塩が好きだから物足りなさも感じるが、唐辛子が効いていて、ともかく旨い。タレがバーベキューソースじゃなければ日本の串とも遜色ない。
バンガロールの居酒屋EDOの焼き鳥

焼き鳥が出てきたところでビールも注文する。居酒屋EDOのキングフィッシャーは瓶で出てきた。これ普通なら70ルピーくらいのシロモノだが、値段を確認せずにオーダーしたので会計が楽しみではある。ちなみにゴアとポンディシェリーだと、ビールがやたらと安かった。

つづけて刺身。刺身はどれも大ぶりの切り身で、まぐろ・白身・ホタテ・サーモンの4つ。もう旨すぎて、言葉にならない。ターリーやチョウメンで苛め抜いてきた五臓六腑に、醤油で食べる繊細な味つけが染み渡る。魚の切り身は、目の前で調理するシェフが真空パックから取り出していたのを見たので、空輸確定。
バンガロールの居酒屋EDOの刺身

さらに天ぷらと寿司が運ばれてきた。天ぷらも完全に再現されている。断じて和食もどきじゃない。日本で食べるそれと変わりない。寿司はシャリが多めだが、ネタも大き目。こちらもハズレなく旨い。
バンガロールの居酒屋EDOの寿司

気がついたらビールもなくなっている。とうに胃袋は限界に近づきつつあるものの、ここで追加のビールと餃子を頼むことにした。出てきた餃子は日本のパリッとした餃子ではなく水餃子風。なのに皮がモチモチしているわけではなく、具もジューシーなわけではない。少し水っぽさも感じられたが、とはいっても餃子の体はなしている。インドでこれが食えるなら、値段次第では十分アリでしょう。でも冷凍食品なんだろうな...。
居酒屋EDOの餃子

さらにご飯ものが選べるということで、選択肢のもう一品が何だったかは今もって思い出せないが、とにかくワカメうどんを食べることにした。うどんは乾麺の食感で、日本だったらコシがなくて食えたもんじゃないだろうが、このときは味わうように食った。スープは醤油ダシで、昆布の味はしなかったが、カツオの風味が若干あったかもしれない。
居酒屋EDOのワカメうどん

最後にデザートのケーキが出てきた。インドのスイーツもたびたび口にしてきたが、ここのケーキは旨かった。もちろんインド流デザートの例に洩れず甘ったるくて、繊細さや重厚さは感じられないのだが、ストレートに訴えかけるものがあって悪くない。というか旨い。そして一緒に出てきた緑茶は、ほとんどお湯だった。
バンガロールのホテル「ロイヤルガーデニア」で食べるデザート

支払いは3200ルピーのコース料理にビール3本と餃子がついて、合計4770ルピー。さて、貧乏なバックパッカーの旅での4770ルピーを高いとみるか安いとみるか。

ロイヤルガーデニアにある居酒屋EDO vol.1

バンガロールのロイヤルガーデニアにある居酒屋EDO
ベンガルールを訪れた理由はたくさんあるが、旅の途中でもうひとつ大きな目的が加わった。それが日本食。この街には日本食を食べられる場所がいくつかある。とくに有名なのは「播磨」レストラン。ほかにも、駐在の方のブログやガイドブックによれば、合計で4軒ほどあるらしい。そんな中から僕が今晩のディナー選んだのは、5つ星ホテルのロイヤルガーデニアにある、その名も「居酒屋EDO」。ベンガルールを歩き回ったこの日は、ハードロックカフェでランチを食べた直後だったにもかかわらず、すでに夕食が待ち遠しかった。

シャワーを浴びたあとに髭を整えて、バックパックの底に入れておいた一張羅を引っ張り出した。もちろん一張羅とは言っても、いま身に着けている服と同じ店で買ったものだから、それほど大きな違いじゃない。見た目こそアラベスク模様の丁寧な図柄がプリントされているものの、触ってみればペラペラだ。とはいえホテルのエントランスぐらいは通り抜けられるだろう。

ロイヤルガーデニアはさすがの5つ星にふさわしく、内も外もエクセレント。スターウッド系列のホテルと比べても全く遜色ない。UBシティ同様に、エントランスでボディチェックを受けてから中へ入る。ここのスタッフはホスピタリティという言葉を完全に理解しているようで、ボディチェックの際にも笑みを絶やさず、心配りを忘れてはいなかった。

ホテルの中を闊歩するインド人は、まぁ街では絶対に見かけることがない階層の人たちばかり。まず女性の身に着けているサリーが格別に美しい。生地の良さが見て分かる。全体に艶があって、歩くと身体のラインに吸い付いているかのように舞っている。本当に「舞う」としか表現できない美しさだった。そんな銀幕から出てきたかのような人たちは、UBシティでも見たことがない。

居酒屋EDOはホテル1Fの奥まった場所にあって、天井が高く、店内は広い。一人ということでカウンターを所望し、シェフの目の前に陣取った。情報では日本人シェフがいるということだったが、この晩に腕を振るっていた板前はフィリピン人で、彼を補佐するようにもう一人ネパール人のシェフがいた。フィリピン人のシェフは、日本食だけに21年間もたずさわってきたと言う。ベンガルールのロイヤルガーデニアに2年ほど働いているといい、その前はドバイやアブダビ、そしてヨーロッパでも仕事をしていたとのこと。あのシェラトンでも修行していたそうだ。僕の孤独を察するかのようにはじまった二人のシェフとの会話が弾む。着ていた一張羅を見て「問題ない」と言ってくれたことで、それまでの緊張が一気に解けていくのが感じられた。
居酒屋EDOのカウンターと、二人のシェフ

ベンガルールのハードロックカフェ

バンガロールのハードロックカフェにて、チキンローストバーガー
腹を空かせて飛び込んだのは、インドで初めてお目にかかったハードロックカフェ。朝から歩きまわって気付けば飯を食ってない。シティマーケットからハードロックカフェのあるMGロードまで歩いてきたことになる。重い扉の前にセキュリティの兄さん方がいて、野良犬のような僕を店内へとうながす。店内にはロックが流れ、チャドスミスの帽子やデイヴクロールのギターが置いてあり、調度品にはインドらしさが感じられない。ここが六本木や横浜と言われても納得できる。店員が話すのはインド訛りがないアメリカ英語で、彼らの接客態度は自信に満ちていた。

メニューはパコダ(PAKODA)やパニール(PANEER)などのインド料理もあるが、バーガーや肉も準備されていて、オーソドックスなハードロックカフェだった。しかし、メニューに書かれている金額が異常なほど高い。もっとも安いカクテルはモヒートで、2012年11月当時、それが1杯340ルピーもする。その上には1杯480ルピーのものもあって、1ルピー=1.5円という円高の恩恵がまったくない。ドリンクに比べたらフードにはお手頃感があるものの、マクドナルドやKFCといったファストフードよりも相当高い。実際は食事代金に対して10%のサービスチャージが加わり、さらに別で税金も加算されることから、メニューにある金額+20%は覚悟しないといけないようだ。おとなしくサービスランチのチキンローストバーガーとスプライトを頼むことにした。

しばらく待って出てきたのは、タンドリーチキンのような食べ応えのあるバーガー。インドでは本当にチキンが旨い。牛、豚、魚、それに類するものは中々食べることができないが、チキンだけはハズレが少なくて旨い。高い金を払って、どうせ不味いパスタもどきを注文するくらいなら、おとなしくタンドリーチキンを食っておけばいい。そしてどんなときもオチをつけてくれるのがインドであって、ハードロックカフェとて例外ではない。出てきたスプライトは、冷やそうとする努力が微塵も感じられない温さだった。支払いは480ルピーで、ちょうど500ルピーしか持っていなかったから500ルピー支払ったら、当然のように釣りは戻ってこない。チップ文化だけは欧米を真似するあたりがインド。まさにインド。思わずツッコミいれたくなる。285ルピーのチキンローストバーガーに85ルピーの温いスプライトで、支払いが合計500ルピーになるんだから、この金の使わせ方には感心させられる。
バンガロールのハードロックカフェ


ハードロックカフェで遅いランチを食べながら、僕は考えていた。

旅のはじめには自由なヒッピーもどきのスタイルを満喫していたものだが、旅が進むにつれて、この見た目で損をする場面が多くなってきている。いまの自分はと言えば、ニューデリーのパハールガンジで買った木綿の上下に、ガラクタ同然のアクセサリーを身に着け、髪はボサボサで髭は伸び放題。これでまともな対応をしようという人間を期待するほうがオカシイ。ハードロックカフェに入店してからも、自分が軽んじられている明らかな対応を幾つか感じていたし、こんな自分の見た目こそが原因だったのではないかとも思えてきた。そろそろこのスタイルを捨てるときが来たのかもしれない。

宿へ帰る道すがら、僕は今晩のディナーを5つ星ホテルでいただくことに決めた。もちろん精一杯の服装と一緒に。

2014年1月19日日曜日

牛肉麵屋で店のオッサンからキレられた話

旅をしていると怒鳴られることがしばしばある。

あるときカメラ用品に不備が出たので、台北市内のカメラ街へ買いに出かけた。するとこのお店のご主人夫婦が日本語世代の方々で、僕に色々と話しかけてくれる。爺さんのほうは90歳近いということで同じ話をリピートするのだが、それも可愛げがあって悪い気はしない。そして婆さんが、近所の牛肉麵屋が旨いから絶対に行けと教えてくれた、どころか息子の嫁さんを呼んできて、僕を案内するように指示までしてくれる。このときは断る理由もないし、店へ行ってみることに。

店の前で親切な嫁さんと別れる。なにかあれば私に連絡しろとまで言ってくれて非常に有難い、とそのときは思ったのだが、よくよく振り返ってみると、その後の展開を暗示しているようで苦笑いしかない。

僕が行ったのは、地球の歩き方にも載っている、台北市内でも超がつく有名な牛肉麵屋。牛肉麵コンテストでも相当な評価を貰っているらしい。ともかく旨いことで有名だということを、怒られたあとにネットで知った。その牛肉麵屋は一見するとバラックのようだが、奥にしっかりとした食堂があって、その横に長い行列ができている。


と、そこにベビーカーを押した家族連れが来た。するとどこで見ていたのか、体格のいいオッサンが出てきて、強い口調で家族に何やら告げる。人に対する礼儀の欠如ってのは、僕が思うに責められるべきものではないのだが、とにかく市井の人々には全く期待するもんじゃない。もてなしてくれたら上々、ダメで元々くらいじゃないと、日本人の道徳観念からすれば耐え難い。オッサンから何やら申し渡された家族連れは、当惑しながらも列に並ぶ。つづいて僕も並ぶ。

このとき僕はカメラをもっていたから、お店の雰囲気でもと思って、行列越しにカメラを構える。そこへ本日一発目のカミナリが飛んできた。このとき行列の先にベビーカーの家族連れが居たから、自分に言われていると気付かなかったことが、なぜだか分からないオッサンの怒りに油を注いでしまったらしい。居並ぶ行列の客が引いていくのが分かるくらいの権幕で怒られた。それも最初は意味の分からない中国語で10秒ほど、そして僕を外国人だと気付いたあとに英語10秒ほど、計2回。謝るのにも必死で、さっさとカメラをしまいこむ。

彼が言うには、客のプライバシーを考えろとのこと。カメラの経験が浅い身としては、このプライバシーと写真の考え方は難しいけれども納得はできるので、これから食べる牛肉麵へと頭を切り替えてみる。

そして出てきた牛肉麵を食べるまえにパチリとやろうとしたら、本日二回目のカミナリ。フレームには他の客が入らないだろ畜生とか、ボカして撮るに決まってんだろボケェとか、そんな抗弁するつもりもないし、諦めて食うことに。味は普通。恨み節なく、いたって普通。というか食ってる最中も叩きだされるんじゃないかと思いながらビクビクしていたから、説明できるほど味わえなかった。

宿に帰ってからネットで検索すると、ほかのチャレンジャーたち撮った写真がたくさん出てくるんだが、そのなかに幾つか「すげぇ怒られた」みたいに付け加えられていて、思わずニヤリ。そして怒られる理由が各々で違うってのも面白い。

最近は会社でも偉くなってしまい怒られることがなくなったと感じているアナタ、是非この牛肉麵屋「老王記」へ、カメラ片手に行ってみてはどうでしょう?