2014年1月21日火曜日

マイソールの食事、インドのミネストローネ

マイソールにあるParklaneHotelのベジタブルスパゲッティ
マイソール宮殿のライトアップを見てからParklaneHotelのレストランで一杯やった翌朝、旅の充実を感じながら目が覚めた。マイソールを半ばヤケクソで訪れておきながら、終わりが良ければ何も問題なんてない。

シーツに包まれながら日記を書いていたら、フロントから電話があった。チェックアウトの時間だと言っている。現在10時で、フロントには12時チェックアウトと書いてあった記憶があるが、とりあえず急いで部屋を出る。すると12時チェックアウトという表示の下に、小さく「12時以降にチェックインした客だけ」と書いてあった。延泊料金を取られないかビクビクしながらチェックアウトする。それから、せっかくだからマイソールの中心部を色々と歩いてみるも、目を引きつけるようなイベントには出くわさない。小一時間ほどの散策から戻ると、昨晩と同じくParklaneHotelのレストランで昼食をとることにした。そして店に入るとベジタブルスパゲッティとミネストローネを注文する。

インドのスパゲッティは、なぜ茹で過ぎるのだろう。どうして不味い料理を敢えて作るのか。インドでは場所を変えてはチャレンジしてきたスパゲッティだが、どの土地へ行ってもハズレなく不味い。断っておくが、インドの本屋には本格的なレシピ本が置いてある。レシピ通りに作れば間違うはずはないのに、それでも間違うというところがインドなのだ。

そしてミネストローネにはマカロニの破片とスパゲッティが入っていた。昨晩と変わらず味つけはケチャップだったが、これは見方を変えると旨いかもしれない。厳密にはミネストローネではないが、ケチャップスープとしたら出来は上々だ。なにより疲れた体にはトマトと塩分が染みわたっていくのが分かる。トマト系のスープといえば、マハーバリプラムのレストランMoonrakersで出てきたトマトスープが本当にトマトを潰して調理されていたくらいで、ムンバイではレトルトだったし、列車内で提供されるトマトスープにいたっては粉末にお湯を加えるものだった。

このParklaneHotelのレストランでは、テーブル会計のあと、お釣りが装飾をほどこした金属の箱に入って戻されてくる。旅行者のなかには釣りをチップとして放置したまま席を立つ人たちもいたが、あいにく僕は釣りを無駄にできるほどの金持ちじゃない。店員が遠目で釣りの入った箱を下げるタイミングを計っていたので、僕は仰々しい箱から20ルピーを奪い取ると、静かに席をたった。
マイソール、ParklaneHotelのレストラン

レストランを出ると、すぐにリクシャーワーラーからお声がかかる。どこかへ寄る元気もなかったし、ビデオカメラを回しながら歩き始めると、一人のオヤジが「マリファナ!マリファナ!」と囁きながらついて来た。はたして「マリファナいらない?」の誘いに乗っかる旅行者なんて実在するんだろうか。インドに行って、知らないオヤジについて行って、しかもマリファナを吸うだなんて、一直線にバッドエンドな自信がある。次にオヤジは方法を変えて、駅まで乗ってけと進めてきた。時間もあったし歩いて駅に向かうつもりだったが、オヤジは「駅まで3kmもあるぞ」と頑張る。「1kmしかねぇだろ」と言うと、オヤジは「ここのホテルの奴がそう言ったのか?どこで調べたんだ?」と聞き返してきた。もしかするとホテルが客に「駅まで遠い」と告げ、それを信じた客がホテル前のリクシャーを利用するというシステムなのかもしれない。そうだったのかと、力なく笑いがこぼれてしまう。生活がかかっているオヤジを横目に、僕は駅への道を進んだ。背中から聞こえていた「マリファナ!チープホテル!」の声も、しばらくすると止んだ。