2014年1月21日火曜日

シャターブディー急行に乗ってベンガルールへ

マイソール駅の西口(裏口)
宿からマイソールジャンクション駅へ歩きながら、僕は二度と訪れることはない景色を目に焼き付けていた。

マイソールジャンクション駅は綺麗に整備されていた。インドにしては珍しく駅舎が汚くない。と、マイペースに道路を横断していたら、突然バックパックが引っ張られて、身体ごと吹き飛ばされる。何かを考えるまえに、インド人の喚きが耳に入ってきた。どうやら脇見運転のリクシャーが僕のバックパックにぶつかったようだ。カメラの被害が気になりはしたが、幸いにもケガはない。そしてこちらが何かを言うまえに、ぶつけたオヤジのほうが既にキレていた。色んな意味で頭が混乱して、出てきた言葉は「なんでやねん...」。周囲がざわめく前に、ビビりな僕は駅へと立ち去る。

マイソールジャンクション駅のホームには、既にチェンナイ行のシャタブディ(近距離特急:シャターブディー急行)を待つ人でいっぱいだった。ここでは数人の日本人ビジネスマンも見かけた。いつにもまして彼らが眩しく見える。緩い弧を描くプラットフォームは、明るい陽射しの下で開放感にあふれていた。出発まで1時間ほどの時間を潰すものは何もない。旅のはじめに持ってきた本も既に無くなっていた。しばらくすると、チェンナイ方面からシャタブディが入線してきた。
マイソール駅に入線したシャターブディーエクスプレス

シャタブディは全席指定の特急で、1車両あたり78席の座席があった。普通車は一列あたり5つの座席で、各車両の先頭と最後尾が4席ずつになっている。窓側にはコンセントも付いていた。乗客全員にミネラルウォーターと菓子のサービスあり、これが確か食事時の乗車だと飯もつく。以前アーグラ(Agra)からデリーへ向かうシャタブディに乗ったときは、それが夜だったこともあってチキンカレーを食うことができた。ただそのときはファースト車両(FirstAC)に乗っていたので、もしかしたらファースト車両に限定したサービスなのかもしれない。

チェンナイ行のシャタブディは満席だったが、車両が新しいうえに適度なエアコンも効いていて文句ない。でもゴキブリはいた。これまで、この害虫を見かけなかったのは、コルカタからニューデリー間を新車両で運行していたドゥロント急行だけだった。インドご自慢のラージダーニ=エクスプレスもシャタブディも、奴らにしてみれば快適な住み家でしかない。この日、ちょうど僕の隣に座っていた小学校9年度生という男の子は、窓枠に現れたゴキブリを手で叩きつぶしていた。なんの躊躇いもない一連の動作を理解するのに、5秒くらい脳が止まっていたことを覚えている。

マイソールからベンガルールまでの2時間は、その彼から英語を教わりながら楽しく過ごすことができた。
チェンナイとマイソールを結ぶシャターブディー急行