2014年1月20日月曜日

ベンガルールのハードロックカフェ

バンガロールのハードロックカフェにて、チキンローストバーガー
腹を空かせて飛び込んだのは、インドで初めてお目にかかったハードロックカフェ。朝から歩きまわって気付けば飯を食ってない。シティマーケットからハードロックカフェのあるMGロードまで歩いてきたことになる。重い扉の前にセキュリティの兄さん方がいて、野良犬のような僕を店内へとうながす。店内にはロックが流れ、チャドスミスの帽子やデイヴクロールのギターが置いてあり、調度品にはインドらしさが感じられない。ここが六本木や横浜と言われても納得できる。店員が話すのはインド訛りがないアメリカ英語で、彼らの接客態度は自信に満ちていた。

メニューはパコダ(PAKODA)やパニール(PANEER)などのインド料理もあるが、バーガーや肉も準備されていて、オーソドックスなハードロックカフェだった。しかし、メニューに書かれている金額が異常なほど高い。もっとも安いカクテルはモヒートで、2012年11月当時、それが1杯340ルピーもする。その上には1杯480ルピーのものもあって、1ルピー=1.5円という円高の恩恵がまったくない。ドリンクに比べたらフードにはお手頃感があるものの、マクドナルドやKFCといったファストフードよりも相当高い。実際は食事代金に対して10%のサービスチャージが加わり、さらに別で税金も加算されることから、メニューにある金額+20%は覚悟しないといけないようだ。おとなしくサービスランチのチキンローストバーガーとスプライトを頼むことにした。

しばらく待って出てきたのは、タンドリーチキンのような食べ応えのあるバーガー。インドでは本当にチキンが旨い。牛、豚、魚、それに類するものは中々食べることができないが、チキンだけはハズレが少なくて旨い。高い金を払って、どうせ不味いパスタもどきを注文するくらいなら、おとなしくタンドリーチキンを食っておけばいい。そしてどんなときもオチをつけてくれるのがインドであって、ハードロックカフェとて例外ではない。出てきたスプライトは、冷やそうとする努力が微塵も感じられない温さだった。支払いは480ルピーで、ちょうど500ルピーしか持っていなかったから500ルピー支払ったら、当然のように釣りは戻ってこない。チップ文化だけは欧米を真似するあたりがインド。まさにインド。思わずツッコミいれたくなる。285ルピーのチキンローストバーガーに85ルピーの温いスプライトで、支払いが合計500ルピーになるんだから、この金の使わせ方には感心させられる。
バンガロールのハードロックカフェ


ハードロックカフェで遅いランチを食べながら、僕は考えていた。

旅のはじめには自由なヒッピーもどきのスタイルを満喫していたものだが、旅が進むにつれて、この見た目で損をする場面が多くなってきている。いまの自分はと言えば、ニューデリーのパハールガンジで買った木綿の上下に、ガラクタ同然のアクセサリーを身に着け、髪はボサボサで髭は伸び放題。これでまともな対応をしようという人間を期待するほうがオカシイ。ハードロックカフェに入店してからも、自分が軽んじられている明らかな対応を幾つか感じていたし、こんな自分の見た目こそが原因だったのではないかとも思えてきた。そろそろこのスタイルを捨てるときが来たのかもしれない。

宿へ帰る道すがら、僕は今晩のディナーを5つ星ホテルでいただくことに決めた。もちろん精一杯の服装と一緒に。