シティマーケットの汚さから早く逃れたかったので、ともかく次にヴィダーナサウダへ向かうことにした。少しでもキレイな場所に身を置きたかった。が、ここからが長かった。
まずヴィダーナサウダ行きのバスを探すも、全然見当たらない。もちろん案内板なんてものは存在しないから、道行く人や車掌に手当たり次第に声をかけて、集められた情報を絞り込んでいくことになる。真贋入り混じるというより、8割の適当な情報の中から2割の真実を探す作業とも言えそうだ。毎度の試みながら、この日のアタリは良くない。尋ねる人たちがみな違うことを言うもんだから、どれが正しいのやらさっぱり分からない。シティマーケットのバスターミナルは広いので、彼らの情報をもとに右往左往することに。
付け加えておくとバスターミナルといっても単なる広場であって、どのバスが運行するかなんてのはバスが発車しはじめないと全く分からない。動かないバスに乗って座っていても、そのバスが出発する保証なんてないからだ。人がたくさん座っているバスに乗り込んで行先を聞いてみたときに、ついでに「このバスはいつ出発するのか?」とも尋ねてみた。すると誰もが首をかしげて「分からない」という。ここでは時間通りに事を進めたいという観念は捨て去るほうが良い。動き始めるバスを捕まえては、乗客と車掌に問いただす作業を20分ほど続けたのちに、この日はバスに乗ることを諦めた。後にも先にも、バスターミナルに行ってからバスに乗れなかったのは、このシティマーケットだけだったと思う。
それからヴィダーナソウダまで歩く覚悟を決め、今度はヴィダーナソウダまでの道を聞いて回ることにした。ところが周りにいたのは、「この道を行けばシティマーケットだ」としか答えない兄ちゃんや、「他で聞け」としか言わない店のオヤジばかり。とりあえず当たりをつけて歩いてみるも、そこに見たのは放牧されている牛だった。この牛の放牧場は道路の真ん中にあって、その上を高架が走っている。空きスペースの上手い利用法だとは思うけれども、もっと別の場所もあったろうにとも思う。
そして来た道が違っていたことに気づいた僕は、シティマーケットへ戻り、今度は警官に聞いてみた。するとこの女性警官、まだ僕が歩いていない方角を自信たっぷりに指さす。今度こそはと思って歩き始めた。
道すがら小学生の集団から写真をせがまれた。実はインド旅の途中から、カメラで撮ることが極端に少なくなっていた。毎日、目の前の出来事に手一杯で、撮影のことを考える余裕なんて全くない。だからこのときは、たったいま自分がカメラをもっていることに気づいたかのように驚いてしまった。
どういった気持ちから、小学生の彼らが珍妙なアジア人に興味を持ったのかは分からない。あるいは彼らの目にとまったのは、高そうなカメラだったかもしれない。とにかく彼らは僕の写真におさまって、撮った写真を確認するでもなく、風のように走り去っていった。
まずヴィダーナサウダ行きのバスを探すも、全然見当たらない。もちろん案内板なんてものは存在しないから、道行く人や車掌に手当たり次第に声をかけて、集められた情報を絞り込んでいくことになる。真贋入り混じるというより、8割の適当な情報の中から2割の真実を探す作業とも言えそうだ。毎度の試みながら、この日のアタリは良くない。尋ねる人たちがみな違うことを言うもんだから、どれが正しいのやらさっぱり分からない。シティマーケットのバスターミナルは広いので、彼らの情報をもとに右往左往することに。
付け加えておくとバスターミナルといっても単なる広場であって、どのバスが運行するかなんてのはバスが発車しはじめないと全く分からない。動かないバスに乗って座っていても、そのバスが出発する保証なんてないからだ。人がたくさん座っているバスに乗り込んで行先を聞いてみたときに、ついでに「このバスはいつ出発するのか?」とも尋ねてみた。すると誰もが首をかしげて「分からない」という。ここでは時間通りに事を進めたいという観念は捨て去るほうが良い。動き始めるバスを捕まえては、乗客と車掌に問いただす作業を20分ほど続けたのちに、この日はバスに乗ることを諦めた。後にも先にも、バスターミナルに行ってからバスに乗れなかったのは、このシティマーケットだけだったと思う。
それからヴィダーナソウダまで歩く覚悟を決め、今度はヴィダーナソウダまでの道を聞いて回ることにした。ところが周りにいたのは、「この道を行けばシティマーケットだ」としか答えない兄ちゃんや、「他で聞け」としか言わない店のオヤジばかり。とりあえず当たりをつけて歩いてみるも、そこに見たのは放牧されている牛だった。この牛の放牧場は道路の真ん中にあって、その上を高架が走っている。空きスペースの上手い利用法だとは思うけれども、もっと別の場所もあったろうにとも思う。
そして来た道が違っていたことに気づいた僕は、シティマーケットへ戻り、今度は警官に聞いてみた。するとこの女性警官、まだ僕が歩いていない方角を自信たっぷりに指さす。今度こそはと思って歩き始めた。
道すがら小学生の集団から写真をせがまれた。実はインド旅の途中から、カメラで撮ることが極端に少なくなっていた。毎日、目の前の出来事に手一杯で、撮影のことを考える余裕なんて全くない。だからこのときは、たったいま自分がカメラをもっていることに気づいたかのように驚いてしまった。
どういった気持ちから、小学生の彼らが珍妙なアジア人に興味を持ったのかは分からない。あるいは彼らの目にとまったのは、高そうなカメラだったかもしれない。とにかく彼らは僕の写真におさまって、撮った写真を確認するでもなく、風のように走り去っていった。


