旅をしていると怒鳴られることがしばしばある。
あるときカメラ用品に不備が出たので、台北市内のカメラ街へ買いに出かけた。するとこのお店のご主人夫婦が日本語世代の方々で、僕に色々と話しかけてくれる。爺さんのほうは90歳近いということで同じ話をリピートするのだが、それも可愛げがあって悪い気はしない。そして婆さんが、近所の牛肉麵屋が旨いから絶対に行けと教えてくれた、どころか息子の嫁さんを呼んできて、僕を案内するように指示までしてくれる。このときは断る理由もないし、店へ行ってみることに。
店の前で親切な嫁さんと別れる。なにかあれば私に連絡しろとまで言ってくれて非常に有難い、とそのときは思ったのだが、よくよく振り返ってみると、その後の展開を暗示しているようで苦笑いしかない。
僕が行ったのは、地球の歩き方にも載っている、台北市内でも超がつく有名な牛肉麵屋。牛肉麵コンテストでも相当な評価を貰っているらしい。ともかく旨いことで有名だということを、怒られたあとにネットで知った。その牛肉麵屋は一見するとバラックのようだが、奥にしっかりとした食堂があって、その横に長い行列ができている。
と、そこにベビーカーを押した家族連れが来た。するとどこで見ていたのか、体格のいいオッサンが出てきて、強い口調で家族に何やら告げる。人に対する礼儀の欠如ってのは、僕が思うに責められるべきものではないのだが、とにかく市井の人々には全く期待するもんじゃない。もてなしてくれたら上々、ダメで元々くらいじゃないと、日本人の道徳観念からすれば耐え難い。オッサンから何やら申し渡された家族連れは、当惑しながらも列に並ぶ。つづいて僕も並ぶ。
このとき僕はカメラをもっていたから、お店の雰囲気でもと思って、行列越しにカメラを構える。そこへ本日一発目のカミナリが飛んできた。このとき行列の先にベビーカーの家族連れが居たから、自分に言われていると気付かなかったことが、なぜだか分からないオッサンの怒りに油を注いでしまったらしい。居並ぶ行列の客が引いていくのが分かるくらいの権幕で怒られた。それも最初は意味の分からない中国語で10秒ほど、そして僕を外国人だと気付いたあとに英語10秒ほど、計2回。謝るのにも必死で、さっさとカメラをしまいこむ。
彼が言うには、客のプライバシーを考えろとのこと。カメラの経験が浅い身としては、このプライバシーと写真の考え方は難しいけれども納得はできるので、これから食べる牛肉麵へと頭を切り替えてみる。
そして出てきた牛肉麵を食べるまえにパチリとやろうとしたら、本日二回目のカミナリ。フレームには他の客が入らないだろ畜生とか、ボカして撮るに決まってんだろボケェとか、そんな抗弁するつもりもないし、諦めて食うことに。味は普通。恨み節なく、いたって普通。というか食ってる最中も叩きだされるんじゃないかと思いながらビクビクしていたから、説明できるほど味わえなかった。
宿に帰ってからネットで検索すると、ほかのチャレンジャーたち撮った写真がたくさん出てくるんだが、そのなかに幾つか「すげぇ怒られた」みたいに付け加えられていて、思わずニヤリ。そして怒られる理由が各々で違うってのも面白い。
最近は会社でも偉くなってしまい怒られることがなくなったと感じているアナタ、是非この牛肉麵屋「老王記」へ、カメラ片手に行ってみてはどうでしょう?
あるときカメラ用品に不備が出たので、台北市内のカメラ街へ買いに出かけた。するとこのお店のご主人夫婦が日本語世代の方々で、僕に色々と話しかけてくれる。爺さんのほうは90歳近いということで同じ話をリピートするのだが、それも可愛げがあって悪い気はしない。そして婆さんが、近所の牛肉麵屋が旨いから絶対に行けと教えてくれた、どころか息子の嫁さんを呼んできて、僕を案内するように指示までしてくれる。このときは断る理由もないし、店へ行ってみることに。
店の前で親切な嫁さんと別れる。なにかあれば私に連絡しろとまで言ってくれて非常に有難い、とそのときは思ったのだが、よくよく振り返ってみると、その後の展開を暗示しているようで苦笑いしかない。
僕が行ったのは、地球の歩き方にも載っている、台北市内でも超がつく有名な牛肉麵屋。牛肉麵コンテストでも相当な評価を貰っているらしい。ともかく旨いことで有名だということを、怒られたあとにネットで知った。その牛肉麵屋は一見するとバラックのようだが、奥にしっかりとした食堂があって、その横に長い行列ができている。
と、そこにベビーカーを押した家族連れが来た。するとどこで見ていたのか、体格のいいオッサンが出てきて、強い口調で家族に何やら告げる。人に対する礼儀の欠如ってのは、僕が思うに責められるべきものではないのだが、とにかく市井の人々には全く期待するもんじゃない。もてなしてくれたら上々、ダメで元々くらいじゃないと、日本人の道徳観念からすれば耐え難い。オッサンから何やら申し渡された家族連れは、当惑しながらも列に並ぶ。つづいて僕も並ぶ。
このとき僕はカメラをもっていたから、お店の雰囲気でもと思って、行列越しにカメラを構える。そこへ本日一発目のカミナリが飛んできた。このとき行列の先にベビーカーの家族連れが居たから、自分に言われていると気付かなかったことが、なぜだか分からないオッサンの怒りに油を注いでしまったらしい。居並ぶ行列の客が引いていくのが分かるくらいの権幕で怒られた。それも最初は意味の分からない中国語で10秒ほど、そして僕を外国人だと気付いたあとに英語10秒ほど、計2回。謝るのにも必死で、さっさとカメラをしまいこむ。
彼が言うには、客のプライバシーを考えろとのこと。カメラの経験が浅い身としては、このプライバシーと写真の考え方は難しいけれども納得はできるので、これから食べる牛肉麵へと頭を切り替えてみる。
そして出てきた牛肉麵を食べるまえにパチリとやろうとしたら、本日二回目のカミナリ。フレームには他の客が入らないだろ畜生とか、ボカして撮るに決まってんだろボケェとか、そんな抗弁するつもりもないし、諦めて食うことに。味は普通。恨み節なく、いたって普通。というか食ってる最中も叩きだされるんじゃないかと思いながらビクビクしていたから、説明できるほど味わえなかった。
宿に帰ってからネットで検索すると、ほかのチャレンジャーたち撮った写真がたくさん出てくるんだが、そのなかに幾つか「すげぇ怒られた」みたいに付け加えられていて、思わずニヤリ。そして怒られる理由が各々で違うってのも面白い。
最近は会社でも偉くなってしまい怒られることがなくなったと感じているアナタ、是非この牛肉麵屋「老王記」へ、カメラ片手に行ってみてはどうでしょう?